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2024年10月より、ソウル地下鉄2号線・聖水駅が「聖水(CJオリーブヤング)駅」と表記されるようになったのをご存知でしょうか?
このように、ソウル地下鉄の駅名には企業・機関名が併記されていることがあります。
これはソウル交通公社が財政難克服のためにおこなっている「駅名併記有償販売事業」によるもの。駅名併記の権利を落札した団体は、既存の駅名に「副駅名」を併記することができます。
この記事では、ソウル地下鉄の「副駅名」についてご紹介します!
ソウル地下鉄の「副駅名」とは?「駅名併記有償販売事業」について
はじめに「駅名併記有償販売事業」が施行されたのは2016年です。
ソウル交通公社の前身であるソウルメトロとソウル都市鉄道公社が、財政難克服のために一部駅の「副駅名」販売を始めました。
(※2018年にソウルメトロとソウル都市鉄道公社が統合され、ソウル交通公社となった。)
2021年には、新型コロナウイルスなどによる打撃を受け、ソウル交通公社は新たにソウル地下鉄1号線〜8号線の一部駅の「副駅名」を販売を順次開始。
今回、聖水駅の「副駅名」を「CJオリーブヤング」が落札したことで、改めてソウル地下鉄の「副駅名」に注目が集まっています。
ちなみに、入札に参加するには「対象駅から1km以内に位置する企業・機関であること」が必須条件で、500m以内に位置する企業・機関を優先するとのこと。副駅名の併記は3年契約で、再入札なしに1回延長できます。
ここからは、「駅名併記有償販売事業」によってつけられた代表的な副駅名をご紹介します!
聖水駅:CJオリーブヤング
ソウル地下鉄2号線・聖水(ソンス)駅の副駅名は、「CJオリーブヤング駅」です。
2024年8月に10億ウォンで落札され、これは入札開始価格(2億9948万ウォン)の3倍を上回ります。
CJオリーブヤングは、韓国大手CJグループが運営する「ヘルス&ビューティストア」。化粧品を中心に、食品なども販売しているドラッグストアのようなお店で、店舗数は1,000以上を誇っています。
聖水駅周辺は、かつて町工場として使われていた赤レンガの建物をリノベーションした、オシャレなカフェやショップなどが立ち並ぶトレンドの発信地です。
そんな聖水駅の近くに、CJオリーブヤングは大型店舗をオープン予定。その広さは、現時点で売り場面積最大である明洞店の2倍以上です。
江南駅:ハルプラント歯科医院
ソウル地下鉄2号線・江南(カンナム)駅の副駅名は「ハルプラント歯科医院駅」です。
聖水駅と同じ2024年8月に11億1100万ウォンで落札され、これは現時点で史上最高価格です。
ハルプラント歯科医院は、江南駅10番出口から64メートルの距離にある歯科医院。元歌手のキム・ヒョンギュが経営しています。
江南駅は、年間全国一の輸送人員数を誇る駅。周辺にはオフィス街やショッピング街などがあり、多くの人が利用します。副駅名の広告効果は抜群でしょう。
汝矣ナル駅:ユジン投資証券
ソウル地下鉄5号線・汝矣(ヨイ)ナル駅の副駅名は「ユジン投資証券駅」です。
聖水駅、江南駅と同じ2024年8月に2億2200万ウォンで落札されました。
ユジン投資証券は、 2024年上半期の連結決算が前年比63%増の437億ウォンを記録し、好成績を記録しました。
汝矣ナル駅周辺には、サイクリングを楽しみながら漢江を見渡せる「汝矣島漢江公園」や、ソウル最大級のショッピングモール「ザ・現代ソウル」などの観光地があります。副駅名の広告効果によって、新たな顧客獲得に繋がりそうです。
鐘閣駅:SC第一銀行(2023年8月まで)
ソウル地下鉄1号線・鐘閣(チョンガク)駅の副駅名は「SC第一銀行駅」。
2017年に3億8000万ウォンで落札されました。
鐘閣駅は、市庁駅やソウル駅などの主要駅から近く、近隣にはショッピングセンターやレストラン、カフェ、バーなどが多くあります。
SC第一銀行は鐘閣駅の副駅名になったことで「ブランド認知度が3%ほど上昇した」と公表し、「駅名併記有償販売事業」による広告効果を広めました。2020年に再契約しましたが、2023年8月に契約切れで副駅名は削除されています。
その後鐘閣駅の副駅名は、聖水駅などと同じく2024年7月に販売されましたが、落札されなかったため再広告される予定です。
乙支路4街駅: BCカード
ソウル地下鉄2/5号線・乙支路4街(ウルチロサガ)駅の副駅名は「BCカード駅」です。
2021年9月に2億2000万ウォンで落札され、2022年3月から「BCカード駅」となりました。
BCカードは、乙支路4街駅近くに本社がある、韓国の大手クレジットカード会社です。乙支路4街駅周辺は、韓国の伝統文化が色濃く残っており、庶民的な飲食店の多い「忠武路」があります。
ちなみに、韓国国内でカード会社の名前が副駅名となったのは、BCカードが初だったそうです。
駅三駅: センターフィールド
ソウル地下鉄2号線・駅三(ヨクサム)駅の副駅名は「センターフィールド駅」です。
2021年9月に7億500万ウォンで落札され、2022年から「センターフィールド駅」となりました。
センターフィールドは、ルネッサンスホテルの敷地に新しく建てられたオフィスビルです。
地下2階から地上2階は複合商業施設になっており、デートスポットとしても有名です。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のロケ地になったことで、さらに注目を集めています。
駅三駅は高層ビルが立ち並ぶオフィス街で、「LGアートセンター」や、芸能事務所「Fantagio」の本社があります。
内方駅:ユージュンアートセンター(uJung ART CENTER)
ソウル地下鉄7号線・内方(ネバン)駅の副駅名は「ユージュンアートセンター駅」です。
2021年9月に1億9000万ウォンで落札され、2022年から「ユージュンアートセンター駅」となりました。
内方駅は、高速ターミナル駅の隣に位置し、周辺にはオフィスや病院が多くあります。日本ではあまりメジャーな駅ではありませんが、穴場グルメスポットとして少しずつ注目されています。
ユージュンアートセンター(uJung ART CENTER)は、2011年に開館したアート施設で、さまざまな現代アートの展覧会が開催されています。
乙支路3街駅:新韓カード
ソウル地下鉄2/3号線・乙支路3街(ウルチロサムガ)駅の副駅名は「新韓カード駅」です。
2022年1月に8億7400万ウォンで落札され、この時点では史上最高落札価格でした。2022年3月から「新韓カード駅」となっています。
新韓カードは、韓国最大のクレジットカード会社で、世界でもトップ5に入るほどの規模です。
乙支路3街駅は、2号線と3号線が交わる乗り換え駅であり、1ヶ月平均利用者数が160万人に達します。すぐ近くにある「乙支路」には居酒屋や焼肉屋が多く集まっており、夜にはネオンで彩られたレトロな雰囲気を楽しめます。
隣の乙支路4街駅の副駅名である「BCカード」に続き、国内で2番目にカード会社の名前が副駅名になりました。
汝矣島駅:新韓投資証券
ソウル地下鉄5/9号線・汝矣島(ヨイド)駅の副駅名は「新韓投資証券駅」です。
2022年7月に5号線、続いて2023年8月に9号線の駅名併記を落札し、合計落札価格は10億ウォン以上になります。
新韓投資証券は、乙支路3街駅の副駅名となっている「新韓カード」と同じく新韓金融グループの企業です。
汝矣島駅は、駅1km圏内に14の証券会社があるほか、各種金融関連機関が集まっているなど、金融の中心地とされています。毎月の乗降人数が平均300万人に達するほど、利用者の多い駅です。
新龍山駅:アモーレパシフィック
ソウル地下鉄4号線・新龍山(シニョンサン)駅の副駅名は「アモーレパシフィック駅」です。
2021年12月に3億8000万ウォンで落札されました。
アモーレパシフィックは、韓国最大手で世界トップクラスの化粧品メーカーです。2018年に本社を龍山に移転しました。
新龍山駅すぐ近くには、「龍理団キル」と呼ばれる路地裏があり、おしゃれなカフェやレストランが集まっています。
「龍理団キル」が栄えたのは、アモーレパシフィックの移転後から社員が多く訪れるようになったのがきっかけだとも言われているそう。
乙支路入口駅:ハナ銀行
ソウル地下鉄2号線・乙支路入口(ウルチロイック)駅の副駅名は「ハナ銀行駅」です。
8億ウォンで落札され、2022年9月から「ハナ銀行駅」となりました。
乙支路入口駅1-2番出口はハナ銀行本店と繋がっており、5番出口に隣接するハナハナグループ明洞ビルには、ハナハナグループの関連会社が多く入居しています。
なお、ハナ銀行の前は2016年8月から「企業銀行」が乙支路入口駅の副駅名でした。
明洞駅:ウリ金融タウン
ソウル地下鉄4号線・明洞(ミョンドン)駅の副駅名は「ウリ金融タウン駅」です。
6億5000万ウォンで落札され、2022年9月から「ウリ金融タウン駅」となりました。
明洞駅周辺は、日本人も多く訪れる繁華街がある定番の観光地です。
明洞の繁華街にある「ウリ銀行 明洞金融センター」は外国からの観光客が両替のために利用することで有名です。
なお、ウリ金融タウンの前は2016年8月から「清浄芸術大学」が明洞駅の副駅名でした。
宣陵駅:アキュオン貯蓄銀行
ソウル地下鉄2号線・宣陵(ソンルン)駅の副駅名は「アキュオン貯蓄銀行駅」です。
7億5100万ウォンで落札され、2022年9月から「アキュオン貯蓄銀行駅」となりました。
宣陵駅の近くには、「宣陵・靖陵」という朝鮮時代の王朝の墓があり、公園として整備されています。
論峴駅:江南ブランド眼科
ソウル地下鉄7号線・論峴(ノンヒョン)駅の副駅名は「江南ブランド眼科駅」です。
9億ウォンで落札され、2022年9月から「江南ブランド眼科駅」となりました。
江南ブランド眼科は、レーシックやICLなどに定評があり、日本からも多くの患者が訪れる眼科です。
論峴駅周辺にはリュミエール劇場や、論峴洞家具街などがあり、江南の中心街へ徒歩圏内です。
他にもたくさん!ソウル地下鉄の副駅名
ソウル地下鉄には他にも「駅名併記有償販売事業」によって副駅名のついた駅が多くあります。
【副駅名(一部)】
- 狎鴎亭駅:現代百貨店
- 方背駅:白石芸術大
- 西大門駅:江北三星病院
- 国会議事堂駅:KDB産業銀行
- セッカン駅:KB金融タウン
- 合井駅:ホルト児童福祉会
- 九老デジタル団地駅:円光デジタル大
- 清潭駅:韓国金取引所
- 加山デジタル団地駅:マリオアウトレット
※「駅名併記有償販売事業」とは関係なく、ランドマークをわかりやすくするために副駅名がついている駅も存在します。
要チェック!これからも増えるソウル地下鉄の副駅名
この記事では、ソウル交通公社の「駅名併記有償販売事業」によってつけられた「副駅名」をたくさん紹介しました!
現時点では金融機関の副駅名が多いイメージですが、今回「CJオリーブヤング」が聖水駅の副駅名となったことにより、私たちに馴染みのある企業の入札が増えるかもしれませんね。
ソウル交通公社は今後もさまざまな駅で、副駅名の入札を開始する予定だそう。どの駅にどんな副駅名がつくのか楽しみですね!